八重ガ~八重歯ガールの全て~

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八重歯文化論

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最近「八重歯のアイドルがもてはやされる時代は終わった」とか「美意識が欧米化して、八重歯を可愛いと思う日本人は劇的に減った」というような論を展開する人を結構多く見かけます。
Wikipediaの「八重歯」の項にもそのようなことが書かれているのですが、これ本当でしょうか。

総じて言うとこのような傾向があるのも事実でしょうが、少なくとも定量的な調査で示したものを見たことがありません。

私の知っている限り、八重歯について歯科的観点ではなく一般の方向けにアンケートを行った例は「化粧文化」20号(1989年)の特集「口元の美」における調査くらいではないかと思います(出典:「顔の文化誌」村澤博人著・講談社学術文庫)。

その調査ではこのような結果が出ています。

<男性>
・かわいいと思う+気にならない    …45%
・かわいさを感じるが良くはないと思う …40%
・かわいくないし良くないと思う    …15%

<女性>
・かわいいと思う+気にならない    …39%
・かわいさを感じるが良くはないと思う …36%
・かわいくないし良くないと思う    …25%

「かわいい」という観点からすれば男性の8割以上、女性の7割以上が八重歯肯定派です(言わずもがなですがこれは歯学的なこととは関係ない美意識の調査です)。

このアンケートが実施された時期は八重歯年表でいうところの八重歯暗黒期に入った頃で、芸能界的には八重歯が減ってきた頃です。それでもこれだけの人間が八重歯肯定だったわけです。とてつもない国、日本。

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そうは言ってもこの調査は20年前のもの。この調査後、現代に至るまで時代はどう変化したでしょうか。

まず矯正歯科医は確実に増えています。巷間騒がれているように今歯科医は「増えすぎて余っている状態」です。
厚生労働省の調査を見ると、20年前と比べ歯科医師数はほぼ一貫して増え続けており、矯正歯科医もそれを上回る勢いで増えています。

小児向けの啓蒙活動や少子化の影響もあり、歯学的に「良くないもの」と捉える層は確実に増えているのは確実でしょう(子供自身はどうあれ子供の歯列に無頓着な親というのは減りました)。

しかしそれはあくまで歯学的に悪いか悪くないかという話(後述しますが私は別に矯正否定派ではありません)。

一方でmixiの八重歯好きコミュニティは13000人を超え、twitterでは八重歯肯定発言が溢れ(twitterをやっている人の年齢層が高いという事情もあるでしょうが)、このブログに熱い思いを送ってくださる人が大勢いる現状からすると、八重歯を「可愛い」と思う層が劇的に減っているとも思えないのです。

「欧米文化の影響で」などという人もいますが、ハリウッドスターが一糸乱れぬタイルみたいな歯並びだったのは、それこそ谷崎潤一郎の時代からで、今更それが大きい影響を与えているとも思えません。
ビジネスのグローバル化や海外に住む日本人の増加はあるでしょうが、日本人の価値観を揺るがすほどに増えているわけではないと思います。

また、子供の歯列を気にする親が増えた一方で、食べ物の軟化により子供の顎は細くなっています。顎が細くなれば八重歯は増えるわけで、地域によっては昔より八重歯が増えていることでしょう(歯の数自体が減っている(=退化している)という報道もあります)。
もともと顎が細く他国に比べ八重歯が多かったことが、今の日本の八重歯フェチ文化の根底にあることを考えると、八重歯フェチは増えているという考え方もできます。

更に言うならば「八重歯のアイドルがもてはやされる時代は終わった」というのも一種のレトリックです。
そもそも「アイドル」という形態が80年代で既に一定の区切りがついており、現在、男性がアイドル視する女性の対象は歌手・女優・アナウンサー・芸人・声優・スポーツ選手と大きく広がっています。
このサイトで数多く紹介していますとおり、それぞれの分野で「もてはやされている」八重歯は引き続き存在し、一定の支持を受けていることを考えると「時代は終わった」と言われても「そうですね」と素直に肯定はしづらいところです。

こうやっていろいろな要因をみていくと、劇的に日本人の価値観が変わったとまでは言えず、昔から存在した「八重歯肯定派」と「八重歯否定派」の比率自体は大きく変わっていないのではないか、というのが私の考えです。

このあたり客観的な立場で調査いただける人の登場が待たれます(私が調査しても、歯医者さんが調査しても、公正な結果にはならないと思うので)。

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何度も繰り返し言っています通り、私は健康面・機能面からの歯列矯正について異議を唱えるつもりはありません(卒業する八重歯さんは惜しみつつ笑って見送るがこのサイトのモットーです)。また歯並びのいい人の悪口も言うつもりはありません(新庄みたいなのはどうかと思いますが)。

現に私自身も八重歯ですが、普通の歯ブラシでは磨きづらかったり(八重歯用の歯ブラシというのもあるのです。これについては別途)、鶏肉だのほうれん草だの白髪ねぎだのが歯の間に挟まったりして、それなりに苦労しています。

また、矯正歯科医を生業としている方が「八重歯肯定」というわけにもいかないことも重々承知しています(エステ会社の社長が「ぽっちゃりでもいいよね」とか「二の腕のプルプルがたまらないよね」とか言わないでしょうし)。

ですから、私が期待しているのは「共存」です。

ネットの普及により「否定派」「肯定派」ともに右傾化・左傾化した結果、お互いを否定するような発言をしがちですが、そういう関係は望んでいません。

ある種日本独自の文化である「八重歯を魅力的と思う感覚」を、否定するのではなく「まあそれはそれであり」「そういう人もいるよね」と思ってほしいのです。

矯正歯科医の方が「八重歯を直した方がいい」というのは当たり前です。しかしその根拠を安易に「欧米ではドラキュラの歯とよばれており」とか「もうそんな時代ではない」というところに求めないでほしい。機能面で直した方がいいならその影響をしっかりと話せばよいことです。

日本の八重歯文化を守るため、引き続き草の根から活動していきたいと思います。

あれ、左傾化しているのは私?
  1. 2010/02/20(土) 11:33:12|
  2. 日本文化としての八重歯
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