八重ガ~八重歯ガールの全て~

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靴専科の広告の女性は誰なのか

kutsusenka.jpg kutsusenka2.jpg

東京を中心に全国に展開する革製品クリーニングの靴専科。

看板で微笑むこの女性、上品な雰囲気でなかなかの八重歯です。
いろいろ検索してみましたがお名前わからず。
恐らくモデルさんか何かだと推測するのですが。

未だに正体がわかっていない15Naviの看板の八重歯女性とともに迷宮入りでしょうか。
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  1. 2011/03/21(月) 20:37:30|
  2. 八重歯あれこれ

文学における八重歯

以前にも谷崎を引用したように、日本においては八重歯の出てくる文章がそれなりにあります。

誰もが知る文豪の小説にも八重歯は出てきており、その描かれ方によって、その時代にどのように捉えられていたかが、少しながら垣間見えます。

例えば太宰治の「人間失格」。
主人公である大庭葉蔵が堕落の果てに辿りつく女性ヨシ子についてこんな描写があります。


けれども、その頃、自分に酒を止めよ、とすすめる処女がいました。
「いけないわ、毎日、お昼から、酔っていらっしゃる」
バアの向いの、小さい煙草屋の十七、八の娘でした。ヨシちゃんと言い、色の白い、八重歯のある子でした。



ヨシちゃんはここで無垢な存在として登場し主人公と結婚するのですが、主人公の目の前で出入りの小商人に汚されてしまいます。

まさにこの場における八重歯はヨシちゃんの「幼さ」とある種の処女性を象徴したものと言えるでしょう。

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ほらやっぱり昔から八重歯はロリータ趣味の象徴なのだ、と思うなかれ、ノーベル賞作家、川端康成の晩年の傑作「眠れる美女」には全く異なる八重歯描写が出てきます。

「人間失格」ほどはみなさん読んでないと思うので、あらすじを簡単に書きますと、主人公である江口老人が友人の紹介で訪れた「男性機能を失った老人のために、前後不覚に裸のまま眠らせた若い女性を提供する娼館」で体験する数夜の話。

江口老人は全部で六人の「眠れる美女」と夜を共にするのですが、その中で二番目と五番目の女性に八重歯の描写が出てきます。

登場する美女のうち、第一の美女はまさに処女性の象徴ですが、この女性に八重歯の描写はありません。
館の女主人が「前の子よりも慣れていますから」と言う眠りながらも妖しげな魅力を醸す第二の美女に八重歯があるのです。


江口の指にふれた娘の歯は、指にほんの少しねばりつくものにぬれているようだった。老人の人差し指は娘の歯ならびをさぐって、脣のあいだをたどっていった。二度三度行きつ戻りつした。脣のそとがわのかわき気味だったのに、なかのしめりが出てきてなめらかになった。右の方に一本八重歯があった。江口は親指を加えてその八重歯をつまんでみた。それから歯のおくに指を入れてみようとしたが、娘のうえしたの歯は眠りながらもかたく合わさっていてひらかなかった。


詳しく解説するのは野暮ですが、この文章はいろいろなものの暗喩を想像させる官能的な描写です。
その魅力で江口老人を夢中にさせるこの女性は(実は無垢でありながら)天性のファムファタールとして登場します。

ある種、八重歯を小悪魔的な魅力と捉えるような空気はこの頃にもあったという証左ではないでしょうか。

また、この小説にはもう一度八重歯描写が出てきます。主人公の最後の夜、二人の美女のうちの一人が八重歯として描かれます。


江口老人はいよいよ眠気に吸い込まれそうで、寝いい姿となるために二人の娘の胸から手をひいた。黒い娘の方に体を向けた。その娘の匂いが強かったからである。娘の息はあらくて江口の顔にかかった。娘は少し脣をひらいていた。
「おや可愛い八重歯だ」老人は指でその八重歯をつまんでみた。大粒の歯なのにその八重歯は小さい。娘の息がかかってこなければ、江口はその八重歯のあたりに接吻したかもしれなかった。



この五番目の美女は眠っていながらも激しく寝がえりをうつ浅黒い肌の女性。ある種、若さの息吹、快活さの象徴として描かれる女性です。

この女性は悲劇的な最後を迎えることで、生と死のコントラストを浮かび上がらせるのですが、そういった生命エネルギー溢れる存在の象徴のひとつとして八重歯が使われているというのも面白い発見です。

文豪たちが八重歯に込めた思いはさまざまかもしれませんが、この時代にも八重歯に対しては様々なイメージがついていただのだなあと思うと感慨深いものがあります。
  1. 2011/03/08(火) 22:18:41|
  2. 日本文化としての八重歯
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